by hrn-t
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〜今、何が起こっているのか?〜
第一回 発電風車シンポジウム まとめ 日時:2009年2月4日 3時より6時まで 場所:南伊豆町中央公民館 2F 講義室にて 【趣旨】 現在、下流、大瀬、仲木、石廊崎周辺の山々に17基もの巨大風車(高さ約120m)が建設されようとしています。町や事業者から十分な説明も無いままに進む大規模な開発に対し、住民に疑問や不安がないのか、情報交換を目的に、この風力発電事業について参加者が円卓で自由に討論しました。 出席者:44名 うち南伊豆町民14名他 東伊豆町、伊東市 松崎町 伊豆市の方々 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 今回は南伊豆住民の方をはじめ、低周波や土木、法律、自然動物など、様々な方面の見識を持つ方の意見が飛び交い、伊豆半島の既設風力発電施設周辺の住民の方の声などを聞くことも出来、非常に内容の濃いシンポジウムになりました。また町政、町議にも周知しましたが参加者はありませんでした。 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、 <現状の把握> 南伊豆に予定されている風力発電所の規模について デンマーク製ヴェスタス2000kw。塔の高さ80m。羽根の直径80m(天城のループ橋の直径と同じ)。 羽根の先端まで入れて全長118m。これは風車の中でも最大級の大きさです。(1/500サイズ模型で説明)。立岩の発電風車の倍の高さ。 延べ5〜6kmにわたり、17基の風車が立ち並ぶ。総発電量34000kw、静岡県下最大級のウインドファームになります。 <工事の行程> 予定地は送電線が通っていない地域であるため、新しく送電線、送電塔、変電所が建設される。変電所は日野の菜の花畑の中に設置される予定。資材は手石の明星学園の所から搬入。そこから大きなトラックが深夜両車線を塞ぎ、タワーやブレードを運ぶ。 送電塔はヘリコプターで資材を積んで、半年間3日に一回運行される予定。 菜の花畑の変電所までは埋設するが、青野川を横切るにあたり一旦送電塔を地上に出して、川を送電線が横切るようになる。 <工事の進行状況について> 現場は既に17カ所とも整地されおり、基礎工事に入ろうとする段階。切削の機械は到着、鉄筋が組まれている。 層雲峡西側の最初のポイント、12号機に、今建てようと機械が搬入されている状態。住民との交渉がスムーズに進んでいない地域があるため、工事の進行は遅れぎみ。送電線予定地は地権者との100%合意になってはいないため、補助金交付の段階にはなっていないと思われる。 10、11、13、14、15号機以外は建築確認がすでにおりている。 <事業者について> 総工費の1/3を補助金でまかなう民間事業。事業者はジェイウインド石廊崎(株)。これは南伊豆の風力発電事業のために、電源開発(株)、M&Dグリーンエネルギー(株)、豊田通商(株)が共同出資した会社。工事を請け負っているのは大旺建設。 中でも電源開発(株)が株式の50%以上を持ち、主導権を握っている。 国の政策により、民間事業者は総事業費の1/3の補助金を受けることができる。 <住民への周知について> 住民への周知は徹底されておらず、説明があったとしても局所的な説明にとどまっており、全体を把握しにくい状況である。 ●様々な不安、問題点● <法整備の甘さ> 今回予定されている風力発電塔は、欧米では基本的に人家から2.4kmの距離を離すよう指導されているが、 日本ではNEDOのガイドラインで200m、県で300mが基準にされている。またこれはあくまでガイドラインであり、法律ではない。 事業者が補助金申請する際の条件のひとつに地元同意があるが、その窓口となっているのは町長(地権者の同意、区長の同意を受けて町長の同意となる)。実際の工事の申請に関しては土地利用委員会(法的規制、権限が無い)。 地域の環境に重大な影響を及ぼすことを予防するため、多くの大型事業においては環境影響評価法という法律があるが、風力発電施設に関しては今のところこれが適用されない。自治体の条例が無い限りNEDOのマニュアルに沿って事業者が自主的に行なうことが推奨されているにとどまっている。南伊豆町には条例がない。 2006年7月25日〜8月24日に手続きの一環である環境影響評価書案の縦覧があった。その時点で動植物の調査等をして、陳情、意見書を上げたところ環境影響調査は一年延長になった。ところが業者側は次の環境影響評価書案が出来ないうちに補助金を申請し、1年後の環境影響調査書の縦覧時には既に伐採が進められていた。朝日新聞にも取り上げられたが、それに対してエネルギー庁は、業者を信用しているからチェックしていない、法律が無いのでできないとの対応。 <町議会の対応について> 新エネルギー自体が新しいものなので法の整備がされておらず、法的になすすべがないとの回答。 町議会・町長へ陳情しても、当たり障りの無い対応で進展は無い。 <町にとってのメリットは> 固定資産税と減価償却費が入る。減価償却費は年々減っては行くが、18年間で平均町財政の1.2%弱くらいの収入があると思われる。 ●安全性● <騒音、低周波について> 建設が予定されているヴェスタス2000kwは、機械の音は他の機種に比べ小さい。ただブレードが大きいため風切り音がすごい。1基だけではなく、南伊豆では17基も設置されるので、合成騒音がすごいのではないか。 またブレードが大きいほど耳に聞こえない低周波音が大きくなる。 建設が予定されているヴェスタス2000kwから発せられる低周波の伝わるゾーン。 愛知の風力発電塔近くの滞在記は南豆の和ホームページhttp://nanzumn.web.fc2.com/に掲載されています。 低周波により自律神経失調症のような症状が現れる。ただしお酒に弱い人、強い人がいるように、また船酔いする人としない人がいるように、個人差が激しいことで理解されにくい。 <工事の進め方に関する疑問> 現場の情報では、風車用に切り開いている道は特に整備の予定はないとのこと。メンテナンスなどをしながら 17年間稼働するつもりなら、そのために道をしっかり整備しておくはずではないか。建てて補助金を貰ってそれっきりになるのでは。今のままの道では3-4回くらい大雨が降ったらもう使えないだろう。 欧米ではセットバックのガイドラインが出てきた。自分の土地と隣接する土地との間に風車の3倍の距離を離さないといけない。現場の様子ではどうしても隣の敷地に倒れるような状況。倒れた場合、何かあった場合誰が責任を持って処理するのか。 通常、架設工事は50年率(50年に1回間違いなく降る確率の大雨に対応)、簡略化しても20年率で計算するのだが、今回の事業については10年率と明記されている。今回の現場は場所によっては1年率で計算されている。1年率とは平均雨量と考えてよい。少し雨が降れば泥が流れ出すし道路もだめになるというのは目に見えている。耐用年数17年の建物を建てるのに、あまりにもずさんではないか。 <土地の価値の下落> 自分の土地の近くに風力発電塔が建つだけで全部の土地が死ぬようなもの。いつ壊れて羽がすっ飛んでくるか判らない。また今建てている業者が撤去まで責任を取るといった協定は無い。撤去にお金がかかるから、会社をつぶしてしまえば終わり。ゴミを置いてそのまま放置される恐れがある。18年たってどうなるか判らない土地に何の価値があるだろうか。 ●今どうするべきか● ・風車近辺で健康被害を訴える人が多いが、結局法律が無いために行政に対処してもらうことができない。 被害の事実を伝え、法律の改正を陳情しているが、腰は重い。 自治体に対し、被害の声が上がっている事実を伝え、何とか町民を守ってくれと言うしかない。 ・住民の声を上げるしかない。行政や事業者に対し、不安や懸念を表明していくことが必要。 ・自主的に参加者を募って風車見学ツアーを行う。近くで宿泊体験をする。 ・予測される被害を、チラシなどを使って訴える。南伊豆へ来る人たちの意見を募る。 ・音楽会などイベントを通じ、アピールする。 ・被害状況を統計的にまとめた資料を作る。(熱川天目のデータなど) ・地域の人が嫌だという声を上げるのがやはり大きな力になる。やっと問題点を県や中央のほうへ持っていけるようになってきた。そういうことをやりながら中央の言質を取ってそこから進めて行きたい。 <環境影響評価書内容について> ノイズの測定データについて、通常の状態で深夜の中木の入り口の三叉路、ノイズが40数ホンということで届けられており、町は受け取っている。これは大都市のオフィスに相当する騒音で、当該地区ではありえない。 基礎データになっている風速が15m。メーカーのグラフを見ると風速15mまでの騒音しか書いていない。風車が止まるのが風速25m。風速が強まるほど騒音も大きくなるはずなのに15mから先のデータは一般公開されていない。 希少植物にサクラガンピという植物があるが、それが水辺植物とされていること。名前は出ているが、実際は森林の周辺に生育する植物なのに水辺しか見ていないはず。対象地域はサクラガンピの生育地なのに調査されていないはず。 <東伊豆風車付近住民の体験談> ■最近風車が回りだしたが47dbくらいになると、上からグワッと押さえつけられるような感じになる。 風の強弱によるうねりが岩盤を伝わって来る。それがあって眠れない。回っていないときも50-60Hzくらい出ていて、 風下にいると聞こえる。耳をふさぐと余計聞こえる。立っているとあまり聞こえないが、横たわると聞こえてくる。 わからない人はわからないと言う。何人かそういう人がいる。 質問)回っていなくても聞こえるのか? →回っていなくても、変圧器の音がする。 質問)どのくらい離れているのか? →500m ■音もすごいが夜になると羽根のライトがぴかっと光った瞬間にいくつもパッパッパっとなる。10基並んだ風景は異様なものがあり、外を見たくない。昼間の影もすごい。私の家の近くでは太陽の影が出来て回るから、2-300mの範囲で繰り返されて、 光と影が繰り返し、それがうるさい。 質問)東伊豆の新しい風車ですよね、あまり回ってないという話を聞いたが。 →新しい風車です、1500W。事故で止まっていたが何日か前から回し始めた。 ■うちも玄関と裏木戸では距離があり、全然音が違う。というのは傾斜地に建っているから、隣の家や向かいの小さい山などいろんな形状で違ってくるので、一概にどのくらいの距離で何デシベルという風には言えない。 質問)今東伊豆に住んでいる方で健康被害を訴えている方は何人くらいいるのか? →あそこに住んでいる人たち殆ど全員。4-50人。 質問)その方たちは何か対応策を取っているのか。→その方たちはCEF(東伊豆の風力発電事業者)と話し合っているが、一向に話し合いにならない。最終的に話し合いが決裂して裁判ということになるだろう。 ■去年の4月に風車の羽根が折れ、風や落雷といわれていたが、実はブレードの殆どが不良品だったことがわかった。そしてその修理もずさん。たぶん業者のほうはもう回したいということで見切り発車で最近一基はじめた。風車が止まっているときは症状が治まっていたが、始動と共にまた体調不良を訴える人がさっそく出始めた。業者のほうは試験運転3ヶ月と言っているが、当然その後本格稼動に移るわけで、今まで10基回っているという状態が殆ど無かったので、今度それで10基が半永久的に回り始めると思うと、既に体験しているから非常に恐怖心がある。すでに1基だけでも体調不良を訴えている人が多くいる。 ■風車の見学には、天候の悪いときにきてほしい。特に冬場、12月-2月くらいの間は音が特にすごいことをわかってもらえると思う。 ●その他● アメリカで風力発電を導入している地域を見ると、伊豆と気候が似た場所には無い。ヨーロッパと気候の似た西部に多い。北海道や東北と気候が似たニューヨークの北にはたくさんある。ワシントンより南からフロリダにかけては風車が無い。これは日本の関東以西に匹敵する気候。暴風や雷雨も普通の地域。伊豆のような地域では営業的に成り立たないといえるだろう。 南伊豆の風力発電の何が問題なのかわかりやすく伝えることが必要。たとえば地元の人たちに周知されていない状態で、風車という言葉を使うと、町を挙げて子供たちがかざぐるま作りをしている下田ではわかりにくい。もっと皆がわかりやすい方法で伝えることが必要。 住民が本当に必要としているものを作ることが必要、どうやったら不要なものを「いらない」と言えるようになるのか、という方法論を知りたい。 ●マスコミによる問題の取り上げ● 朝日新聞で今年になってから去年の12月野鳥のこと、今年の1月になってから低周波のこと、環境影響評価についてなど朝日新聞がいろいろ問題を取り上げている。また今年になって報道ステーションや10チャンネルの朝の番組でも低周波音被害や騒音について取り上げられている。
by hrn-t
| 2009-02-04 16:59
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